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今後の自然再生の取組に向けて

丹沢大山自然再生委員会
平成28年11月

 私たち丹沢大山自然再生委員会の前身となる丹沢大山総合調査団が、総合調査の成果をもとに、丹沢大山の自然再生を目指した「丹沢大山自然再生基本構想」と提言書を神奈川県知事へ手渡してから10年が経過しました。県は、この基本構想と提言書をもとにして、「丹沢大山自然再生計画」を策定し、丹沢大山自然再生委員会は計画の点検評価をおこなってきました。このたび、第2期計画の点検結果を踏まえ、自然再生委員会との意見交換を経て、県が第3期計画素案を作成しました。
 丹沢大山自然再生委員会は、多様な主体から構成されており、自ら自然再生に取組む組織であることから、第3期計画素案の内容も踏まえ、丹沢大山自然再生基本構想に示された自然再生目標達成のために、今後の本委員会が取組むべき課題等を示します。

○これまでの丹沢大山自然再生計画による取組により、ブナ林の再生やシカの保護管理等については、一定の成果が得られているが、今後も取組をなお一層強化することが必要である。取組強化にあたって、自然再生委員会をはじめとする団体や県民、市町村等と県が協働で進めることが必要である。
○人工林の再生に関しては、県の水源環境保全・再生施策の取組により、私有林の整備が着実に進捗しているものの、基本構想を作成した当時とは、森林管理や林業をとりまく情勢も変化している。自然再生委員会においても、今後の人工林の経済的利用と環境保全的利用に関して、議論を進めることが必要である。
○自然環境や社会情勢の変化を踏まえながら順応的に自然再生を進めていくためには、情報の収集や課題の抽出をしながら自然再生の取組を進めることが必要であり、「自然再生における防災・減災の取組」や「自然再生を支える人材の育成」等について、自然再生委員会で具体的な取組の内容を検討しつつ進める必要がある。
○自然再生に向けた課題は範囲が広く、取組も多岐にわたることから、各主体が自然再生委員会を通じて取組をPRするなど、取組への県民理解が一層深まり、社会全体で自然再生に対する関心をもってもらえるような取組の拡充強化が必要である。
○喫緊の課題であったシカ対策の成果が目に見えてきたが、一方で隣接する流域や国立公園などでシカ問題は深刻化しつつあり、国や隣接県と連携した自然再生事業が必要である。自然再生委員会には、全国のシカ問題に関わっている委員もいることから、各関係機関と連携を図りながら取組を進める必要がある。また、シカ以外の動物も含めて永続的に取り組む必要がある野生動物管理については、必要な体制と財源を確保することを各関係主体に働きかけるとともに、自然再生委員会でも担い手育成の面等から取組を進める必要がある。
山の写真


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